ABOUT

「余さずいただく。現代に受け継ぐ事」

装飾目的で採取される毛皮や、希少ゆえに高値で取引される生き物の革は使いません。

人間の娯楽のためでなく、人間が生きるため、食肉の副産物として得られた皮を、昔ながらの技法でなめしたヌメ革を用います。

現代では忘れがちな余さずいただくこと。

人類の、古代からのものづくりに対する想いや技術を現代に受け継ぐこと。

それが、『KALEIDOSCOPE』の目指すモノづくりです。

【作家略歴】
山形出身。
武蔵野美術大学造形学部油絵科卒。

東京都職業訓練校にて講師を勤め、皮革加工コースのアシスタントをしながら日本の鞄職人が学ぶ基礎的な技術を習得。
同時期にバーバリー、サマンサタバサ、コムサデモード等の大手アパレルブランドのバッグ製造を行う会社にパートタイム勤務をし、現在流通している鞄の製造工程を学ぶ。

2007年ハンドメイド•オーダー革製品「KALEIDOSCOPE」を立ち上げる。

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【自己紹介】
雪国の小さな町で生まれ育ちました。
本を読むことが好きで、どちらかというとインドアな遊びを好む子どもでした。

小学校に上がる前から、祖母や近所のお年寄りから藁の縄を作り方を教わり、母には編み物や裁縫を教わりました。
一人でいる時も、つまようじで小さな椅子を作ったり、枝や石など身の周りのものを何かに見立てて創作したり。

つくる楽しさは、気づけば私の人生の大切なものとなりました。

やがて美大へ進学。高校から始めた油絵と、大学で専攻した銅版画を中心に学びました。
しかし、油絵や銅版画を創作し、販売して生活して行くということに確信が持てず、何かを作り、生活していくことの難しさに直面しました。

そんな中、大学卒業後に講師を勤めることになった職業訓練校にて、私は革と出会う事となりました。
塗装、木工、金属加工など様々な分野があり、私は皮革加工コースの講師を担当することになりました。

職業訓練校で教えていたのは、昔ながらの重厚感のある鞄。手の込んだ製法でした。

素朴な道具だけで型紙をつくり、革を裁断し、やがて鞄へと仕上がっていく行程。そして仕上がったものが人々の生活に活かされ溶け込んで行く様子。
それは、幼少の頃に感じていた、つくる歓びを鮮烈に思い出させてくれるものでした。

私も、日々の生活に寄り添えるものが作りたい。そう確信しました。

それから、革について学ぶ日々がはじまり、イメージしたものをカタチにできるようになった頃、革製品の製作販売を始めました。KALEIDOSCOPEの始まりです。

きっかけが革鞄だったので、革について知識と後術を深め革作家となりましたが、木工でも金属でも布でも、生活に寄り添うものはどれも魅力に感じています。
いつか、それらの素材を扱う日が来るかもしれません。
しかし、革というひとつの素材でもあまりに奥が深く学ぶことが多すぎて、他の素材を学ぶのはずっと先の話になりそうです。
それは、とても幸せなことだと思います。